前回は一戸建ての設備・仕様等として、屋根の形及び屋根材についてお話をしましたが、今回は外壁についてお話したいと思います。
少し話はそれますが、なぜ前回今回と、屋根や外壁といった、いわば地味な仕様設備からお話をしているのか、おわかりでしょうか?仕様設備には、その他にも床暖房や水周り(バス、キッチン、洗面化粧台)などがありますが、それらの仕様設備は室内にあり、かつ日常生活に直結していることもありますので、情報収集にも力が入る…ということも理解できます。
しかし、前回お話をした屋根、また今回お話をする壁材は、それら室内にある仕様設備を含めて、マイホーム全体を、雨や風、音や火事などから守ってくれる役割を果たす大切なものなんです。つまり、マイホームを長く良好な状態に保つためにも、屋根や外壁は欠かせない要素であるということ。
いつも室内で目にする仕様設備ではない、地味なポイントでありながら、重要なポイントであるために、はじめにお話をしている…というわけなんですね。
さて、今回は外壁について。外壁にも様々な種類がありますが、一般的に一戸建てに利用される外壁の種類としては、「サイディング」、「塗り壁(モルタル)」「ALCパネル」があります。それぞれの外壁の特徴について、まとめてみたいと思います。
●サイディング

一方、外壁の施工の面でも、下地の合板に釘で打ちつけていくというシンプルなものなので、外壁材として多く採用されています。
(1)窯業系
セメントなどに人口繊維等の補強材を混ぜ、強化し、プレス成形で板状にしたものをいいます。金属系に比較して窯業系のコストが低い場合が多いですが、耐久性は金属系の方が優っているといえます。ただし、最近では耐久性について、窯業系でも工夫が凝らされていますので、メンテナンス周期をどれくらいで考えておけばいいかを確認しておくといいでしょう。一般的には、5〜7年でシーリングの打ち替えなどを、7〜8年で再塗装が必要といわれています。
(2)金属系サイディング
鉄、アルミ、銅、ステンレスの板などを表面材にして、裏に断熱材を入れたものをいいます。軽量であるため、建物に対する負担が小さいといえます。また、金属の種類にもよるのですが、金属には「錆びやすい」という特徴があります。表面の金属には、塗装が施されるなど工夫はなされていますが、長期にわたり錆びを生じさせないためにも、10年から15年ごとに再塗装を行う必要があります。
(3)木質系サイディング
天然木などを塗装したものをいいます。断熱性能など優れた機能を持っています。ただし、耐火性という点において、使用できない場合も考えられますので、注意が必要です。

セメント・水などを混ぜて作ったモルタルを下地として、表面に漆喰(しっくい)、珪藻土(けいそうど)などを塗装し、仕上げていくものをいいます。仕上げの方法によって、様々なデザインを作ることができるという点が魅力といえます。ただし、年月を経ることで、地震等による亀裂が生じることもありますので、こまめなメンテナンスを必要とします。
仕上げに使われる、漆喰(しっくい)は、消石灰を結合材とする塗壁・モルタルのことで、防火性が高く、カビにも強い特徴があります。また、珪藻土(けいそうど)とは太古の植物プランクトンの遺骸が永年にわたって堆積してできた土のことで、調湿性や断熱性、遮音性、脱臭性などに優れています。
ALCとはAutoclaved Lightweight Concreteの略のことで、軽量気泡コンクリートと呼ばれるものをいいます。文字通り、気泡が多く含まれる特殊なコンクリートであるため、軽量であり、加工も簡単です。また、耐火性、調湿性、が高いという特徴もあります。
以上、良く利用される外壁の種類について、まとめてみました。外壁と一言でいっても、様々な種類があることがお分かりいただけたでしょうか。
予算、およびエリアによって、採用が望ましい外壁の種類は変わってきます。また、例えばサイディングひとつとっても、同じ材質でも厚さによって遮音性、耐火性なども変化することになります。検討される一戸建ての外壁に、どんな壁材が利用されているのか確認しておくことは、長期的なメンテナンスの予定を立てるためも大切なことです。
基本的なポイントをおさえた上で、住宅見学をしてみると外壁の種類によって、一戸建ての見え方がまた変わってくるのではないでしょうか。まずは、ご近所を散歩されて、これはサイディングかな?これは塗り壁かな?と見てみることで、マイホームとして皆さんがどんなイメージのものを望んでいるのかがわかってくると思います。ただし、基本的なポイントをまとめた中でもお話をしましたが、「見た目」だけではなく、「長期的なメンテナンスも考慮した外壁選び」という視点も忘れないでくださいね!
いとう みき