
ここ1〜2年で、「コンピュータ・ウイルスで被害」とか「ウィニーで警察から情報が漏洩」なんていう記事をよく見かけるようになった。しかも、それがIT(情報技術)系のニュースサイトやパソコン雑誌ならともかく、アサヒコムのようなウェブサイトや新聞の社会欄に掲載されているのだ。それだけ、パソコンやインターネットの利用者が増え、こうした話題が身近になっているということだ。 それが理由だろう。「セキュリティソフト」が注目されている。量販店のパソコン・ソフト売り場に行っても「セキュリティソフト」は目立つ場所にドンと並んでおり、人気の分野となっている。 パソコンにセキュリティソフトを入れないとウイルスに感染して大変だということは、多くの人が知っている。しかし、「感染したらどうなるのか」とか「どのような危険(リスク)があるのか」というところまでは知らないため、セキュリティソフトの重要性を今ひとつ実感できない人も多いようだ。今回は「どんな危険があるのか」を説明しよう。
パソコン、特にインターネットの各種サービスを利用する上で私たちが抱え込むリスクは、大きく3つに分けられる。「データ破壊」、「情報漏洩/データ盗難」、「なりすまし/身代わり」である。どれもあなたのパソコンやあなた自身に大きな被害を与えかねない怖いものだ。
コンピュータ・ウイルスが実行されたなどの結果、パソコンのハードディスクに保存されているファイルの名前が変えられてしまったり、削除されてしまったりする。その結果、ウィンドウズなどの基本ソフト(OS)やアプリケーションソフトが起動できない、せっかく作った書類がなくなってしまうといった被害に遭う。
また、過去に作られたウイルスの中には、表計算ソフト・エクセルで作成した集計表にウイルスのコピーを埋め込むと同時に、表の数値を部分的に書き換えてしまうものもあった。これも一種のデータ破壊といえるだろう。 OSが起動できないということは、実質的にパソコンが起動できないに等しい。書類が消えたり数値が変わってしまっては、あなたの信用が、ガタ落ちだ。
パソコン内のファイルは無事だが、情報が外部に漏れてしまう危険だ。たとえば、ハードディスクに保存されているファイルが勝手に外部へ転送されてしまう。冒頭に書いた「警察でファイル共有ソフト、ウィニーを利用していたパソコンから情報漏洩」といった事件も、この危険に該当する。
「自分のパソコンにたいした情報は保存していない」と安心してはいけない。ホームページで入力したユーザーIDやパスワード、クレジットカードの番号などといった個人情報が、スパイウエアによって他の相手にも送信されて盗まれるという危険がある。
ファイルが外部に送信されてもオリジナルのファイルはそのまま残る。情報が送信されても、パソコンの利用者には見えない。情報漏洩やデータ盗難は、パソコンから失われるものがないため気がつきにくいのだ。
前段の「情報漏洩/データ盗難」によって盗んだ情報を使って、他者があなたになりすます可能性がある。クレジットカードの番号と名前の情報が盗まれれば勝手に買い物をされて支払いを押しつけられてしまう。オンラインバンキングのユーザーIDやパスワードが盗まれ、預金を勝手に他の口座に送金されてしまうこともある。勝手に電子メールを読み書きされるかも知れない。
もうひとつ、ウイルス感染や不正アクセスによって他者の制御下に置かれた結果、あなたのパソコンからウイルスが送信されたり、他のパソコンに対する攻撃が行われる危険がある。悪人があなたを身代わりにして第三者に被害を拡大しようとするのである。その攻撃を受けた相手には、あなたが攻撃者に見える。被害者からあなたが損害賠償の請求を受ける可能性だってあるのだ。あらかじめなんの対策もしていなかった場合、「ウイルスのせいです」というのは言い訳になりそうもない。
パソコン自体の被害より、あなた自身の経済的、社会的被害が大きいのが、「なりすまし」と「身代わり」の特徴といえるだろう。
こうしたリスクから、使っているパソコンやあなた自身を守る手段はいくつもある。中でも有効なのが、「ノートン・インターネットセキュリティ2008」などのセキュリティ対策ソフトを導入することだ。コンピュータ・ウイルスの侵入や実行を止めるだけでなく、ネット経由での外部からの攻撃や、パソコンからの情報漏洩も防げる。
セキュリティ対策ソフトは、あなたを「被害」から守るだけではない。知らず知らずに「加害者」にすることも防ぐのだ。
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