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コラム「今さら聞けないケータイの話」

緊急通報位置通知を知ってますか?

2007年04月05日

法林 岳之

 4月に入り、新年度になると、いろいろなものが新しくなります。ケータイでも新たに開始されるサービスがあります。今回はケータイで緊急通報をするときに大切な「緊急通報位置通知」について、説明しましょう。

 自宅やオフィスに設置されている電話は、その場所でしか利用できないため、一般的に「固定電話」と呼ばれます。これに対し、ケータイは外出先や移動中でも利用できるため、「移動電話」とも呼ばれます。ケータイはいろいろな場所で利用できることがメリットですが、逆に固定電話にはなかった制約もいくつかあります。

 たとえば、事故や事件、火事などが起きたときは、110番や119番に連絡をしますし、海上における事故や事件であれば、海上保安庁の118番に連絡をします。この緊急通報が家庭やオフィスの電話、あるいは公衆電話からの発信であれば、緊急通報を受けた機関はどこから発信されたのかという位置情報を知ることができます。しかし、ケータイの場合、いろいろな場所から発信できるため、固定電話のように、場所を特定することができません。近年、交通事故などの緊急通報が警察に寄せられるとき、ケータイからの通報が多くなる一方、現場の住所などの情報を聞き出すのに手間取るといったことが起きているそうです。

 そこで、4月1日から新たに開始されたのが「緊急通報位置通知」というサービスです。これは簡単に言ってしまえば、110番や119番、118番に緊急通報をしたとき、そのケータイの発信者の位置情報を警察や消防、海上保安庁に伝えるというしくみです。緊急通報で発信したとき、警察などに伝えられる位置情報は、緊急通報位置通知に対応した機種の場合はGPS(全地球測位システム)から受けた信号と基地局の信号を組み合わせて測位した位置情報が伝えられます。つまり、GPSケータイと同じように測位した位置情報が伝えられるわけです。緊急通報位置通知に対応していない機種については、基地局からの電波到達時間などから算出された大まかな位置情報が伝えられます。ただ、いずれの場合も周囲の状況によって、測位した位置情報に誤差が出ることもあるため、口頭でも住所などの情報を伝える必要があります。

 また、緊急通報位置通知はケータイが対応するだけでなく、警察や消防、海上保安庁の設備も送られた信号から位置を特定できるシステムを導入する必要があります。そのため、現状ではまだ全国どこでもケータイから発信すれば、位置情報が伝えられる状態にはなっていません。4月1日の時点では警察が警視庁(東京都)、北海道警察北見方面本部、神奈川県警察、愛知県警察、大阪府警察、奈良県警察、海上保安庁が全国11管区すべての海上保安本部、消防は全国の40以上の消防本部が導入済みか、導入を予定しています。その他の地域についても順次、導入が進められる予定です。

 通報などをするケータイ側では、特に何も操作をすることはありませんが、端末で発信者番号通知をOFFにしていると、緊急通報時に位置情報などが通知されません。このようなときは、発信者番号を通知するように端末の設定を変更して、ダイヤルをする必要があります。ただし、発信者番号通知がOFFになっているときでも緊急通報を受けた機関が人命などに関わる危険があると判断した場合は、各機関が発信された端末の電話番号や位置情報を取得することがあります。

 緊急通報をしなければならないようなことは起きて欲しくありませんが、まさかのときのために、どの地域が対応しているのかなどの情報を一度、チェックしておくことをおすすめします。

プロフィール

法林岳之(ほうりん・たかゆき)
ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。

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