現在位置:asahi.com>デジタル>藤本健のオーディオステーション> 記事 音質を保ち圧縮「ロスレス」って何?2008年03月14日 本体はコンパクトなのに、非常にたくさんの音楽を転送できるデジタルオーディオ。最近のデジタルオーディオは、大容量のメモリーやハードディスクを搭載していることもありますが、もう一つの理由は、音楽のデータを圧縮し、ファイルを小さくしているためです。これを圧縮オーディオファイルなどと呼びます。
圧縮オーディオファイルにはMP3やAAC、WMA、ATRACなど、いくつかの方式があります。音楽CDには、WAVという非圧縮のオーディオファイルとして音楽が記録されていますが、MP3等の圧縮オーディオファイルを使い、音楽CDからパソコンに取り込むと、どの程度ファイルが小さくなるのか?取り込むときの設定により違いますが、標準的な設定で約1/11になります。 このように圧縮オーディオファイルを使うと、音楽を非常に小さく圧縮できるものの、デメリットがないわけではありません。それは音質です。MP3、WMA、AAC、そしてATRACも、仕組みとしては音の一部をあえて切り捨てることで、パソコンに取り込んだ音楽ファイルを小さくしています。音楽CDには存在していた音が存在しなくなるわけですから、音質的には低下しているわけです。文章で読むほど明確な違いはありませんが、同じ曲をCDとMP3ファイルで聴き比べてみれば、違いがわかります。デジタルオーディオは便利な反面、音質にこだわりたい人にとっては気になるところでしょう。 では、デジタルオーディオを使い、CDと同じ音質で聴くことは出来るのか?実はこれも可能です。まず一つ目の方法は、CDに記録されているWAVファイルをそのままパソコンに取り込むこと。ただし、圧縮を行わないのでファイルサイズは大きく、音楽CD規格の上限である約80分ギリギリに曲が収録されているCDの場合、1枚当たり約700MBの容量が必要です。ちなみに、MP3やAACのような圧縮オーディオファイルならば約64MBなので、違いの大きさが分かります。 もう一つの方法は、ロスレスと呼ばれる圧縮オーディオファイルを使ってパソコンに取り込むこと。ロスレスとは圧縮してファイルサイズは小さくしつつも、音質もWAVとまったく同じという方式。元のファイル(WAVファイル)と同じ音質なので、日本語では可逆圧縮と呼びます。MP3やAACといった圧縮ファイルは同じ音質ではないため、非可逆圧縮と呼ばれています。 高音質とファイルサイズのコンパクトさを両立できるロスレス。ただ、ファイルサイズはMP3やAACほど小さくはなりません。元の曲によって異なりますが、約1/2〜2/3程度まで圧縮されます。先に挙げた約700MBのCDならば、350〜460MB程度になります。 ロスレスは、CDからパソコンに音楽を取り込むiTunesやWindows Media Player(WMP)といったソフトで利用できます。iTunesならばAppleロスレス、WMPならWindows Mediaオーディオロスレス、SonicStageCPならATRAC Advanced Losslessというロスレス形式が用意されています(1)(2)。ソフトの取り込み設定を変えれば、ロスレスでCDから変換でき、またそのソフトに対応しているデジタルオーディオへの転送も可能です。注意点は、デジタルオーディオが対応していること。たとえばiPodシリーズはすべてiTunesを使って音楽を転送しますが、iPod shuffleには、Appleロスレスを転送できません。これは他社の製品も同様です。ロスレスはMP3やAACと比べ、デジタルオーディオに転送できる曲数は減りますが、CDの音質はそのまま。音質にもこだわるならば、試してみてはいかがでしょうか。 プロフィール
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