2008年6月6日
画像1:フォノイコライザー搭載アンプならばフォノ入力端子が用意されているので、いったんアンプを経由してパソコン(オーディオインターフェース)に接続する
画像2:フォノイコライザーを内蔵し、パソコンのラインイン端子に直接接続できるパイオニアの「PL―J2500」
画像3:フォノイコライザーを内蔵し、レコードプレーヤーも直接接続できるオンキヨーのUSBオーディオインターフェース「SE―U33GX+」
いろいろな思い出が詰まったレコードやカセットテープ。古い曲でもCD、そして最近では音楽配信で手に入れることができるようになったとはいえ、中には見つからないものもあるはず。またラジオなどを録音したオリジナルのカセットテープは、市販ソフトとしては入手できません。そのためCDやデジタルオーディオが全盛の現在でも、再生機器も含めレコードやカセットテープを捨てるに捨てられない、という人も多いでしょう。
そこで今回は、レコードやカセットテープといったアナログメディアの曲をパソコンに取り込み、WAVやMP3といったファイルに変換する、つまりデジタル化する方法を紹介します。デジタル化すればパソコンで聴いたり、デジタルオーディオに転送してどこでも手軽に楽しめるようになります。CDの曲をパソコンに取り込むのとは違い、CDをセットしてクリック1回とは行きませんが、きちんと手順を踏んでやればカセットテープやレコードの曲もパソコンに取り込めるのです。
まず最初にカセットテープやレコードの曲をパソコンに取り込む概念です。これはパソコンとレコードプレーヤーやカセットデッキといった再生機器をオーディオケーブルで接続し、パソコン側で録音を、再生機器側で再生すればOKです。つまりレコードからカセットテープへダビングしたときの方法と、考え方としては変わりません。
次に具体的な接続方法。カセットデッキならばラインアウト端子と、パソコンまたはオーディオインターフェースのラインイン端子をオーディオケーブルで接続します。これもカセットのダビングのときと同じです。
注意点として、パソコン標準のラインイン端子はステレオミニプラグという端子形状になっていることが多いですが、カセットデッキ側はピンプラグという形状の端子が2つ用意されています。この場合は「ステレオミニプラグ―ピンプラグ×2」というオーディオケーブルが販売されていますので、そちらを使いましょう。なお以前紹介したオーディオインターフェースのラインイン端子はカセットデッキと同じように「ピンプラグ×2」の構成になっていることが多いので、接続する端子形状を確認してケーブルを用意してください。
レコードプレーヤーを接続する場合も、接続端子などは変わりません。ただし重要なチェックポイントがあります。それはフォノイコライザーという装置の存在です。
カセットデッキやCD/MDプレーヤーといった再生機器に比べ、レコードプレーヤーから出力される音声信号は非常に微弱です。そのためパソコンに限らず、一般的なオーディオ機器でレコードを聴く場合でも、アンプにはレコードの音声信号を増幅するためにフォノイコライザーという装置が搭載されています。
ただしパソコンのサウンド機能やオーディオインターフェースには、一般的にはこのフォノイコライザーは搭載されていません。そのためレコードプレーヤーとパソコンをオーディオケーブルで接続するだけでは、レコードの曲をうまく取り込むことが出来ないのです。
この問題を解決するにはいくつかの方法があります。まずはフォノイコライザー内蔵アンプを中継して、レコードプレーヤーとパソコンを接続する方法(画像1)。これはレコードからカセットテープへとダビングする場合と同じで、カセットデッキがパソコン(またはオーディオインターフェース)に変わっただけです。
次はフォノイコライザーを内蔵したレコードプレーヤーを使いパソコンに接続する方法(画像2)。最近のレコードプレーヤーはフォノイコライザーを搭載していないアンプに接続しても使えるように、フォノイコライザーを内蔵し、オン/オフを切り替えて使えるものがあります。最近レコードプレーヤーを買ったという人は、説明書をチェックしてみるといいでしょう。
最後はフォノイコライザーを内蔵したオーディオインターフェースを使いレコードプレーヤーとパソコンを接続する方法(画像3)。種類は多くはありませんが、そういった製品も発売されています。これもフォノイコライザーを搭載したレコードプレーヤーと同じで、フォノイコライザーをオン/オフすることでレコードの取り込みに対応したものです。以前紹介したようにオーディオインターフェースはパソコン標準のサウンド機能より高音質に録音が出来ます。大事なカセットテープやレコードをデジタル化するならできるだけ高音質に、と考えているならオーディオインターフェースを新たに購入してもよいでしょう。
次回はソフトウエアを使い、パソコンに曲を取り込む方法を紹介します。

ライター兼エディター。デジタルオーディオ機器およびDTM関連を中心に雑誌やWebサイトで試用レポートや解説記事などを執筆。「AV Watch」で藤本健の「Digital Audio Laboratory」の連載、「All About」で「DTM・デジタルレコーディング」のガイドを担当。「サウンド圧縮テクニカルガイド 」(BNN新社)、「コンプリートDTMガイド・ブック」(リットーミュージック)など著書も多数ある。