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コラム「法林岳之のデジタルトレンド羅針盤」

低価格ADSL、コストパフォーマンスが魅力

2008年01月17日

 ブロードバンド対応のインターネット接続サービスは今後、光ファイバーを伝送路として使う「FTTH」が主流になる見込みですが、前回のコラムでも紹介したように、ADSLには、いくつかの種類があります。今回は、低価格のADSL接続サービスについて紹介します。

 ADSL接続サービスは、既存の電話回線と同じ配線を利用するサービスで、国内では2000年頃からサービスが開始されました。当初は、下り方向(インターネットから契約者宅)で最大1.5Mbpsの通信速度でしたが、新しい規格が登場し8Mbps、12Mbps、24Mbps、40Mbps、47Mbpsと、下り方向の通信速度の高速化が進められました。ADSL接続事業者やプロバイダーに、より高速なADSL接続サービスに切り替えてきた人も多いでしょう。ただ、ADSL接続サービスの高速化は現状、ほぼ頭打ちの状態です。

 最近では、下り方向の通信速度を抑えた低価格のADSL接続サービスが登場し、注目を集めています。たとえば、もっとも高速な約50MbpsクラスのADSL接続サービスの場合、ADSL接続サービスの利用料とプロバイダーの月額料金、NTTの回線使用料などを合わせると、月額は約5000円程度になります。前回もご紹介したように、マンション向けのFTTHサービスなどよりも割高になってしまうケースがあります。

 これに対し、低価格帯のADSL接続サービスは、サービスの利用料とプロバイダーの月額料金、NTTの回線使用料などを合わせても月額2000円前後に抑えられているのが特長です。下り方向の通信速度は最大12Mbps程度のサービスに限定されますが、プロバイダーやADSL接続事業者によっては、ADSLモデムのレンタル料が無料になっていることもあり、コスト負担も抑えられています。NTTの電話回線が敷設されていれば、ほぼ月額2000円のみで、ブロードバンド対応のインターネットが実現でき、コストパフォーマンスの高いサービスなのです。この春、新生活を始める人にとっても、魅力的なインターネット接続サービスと言えるでしょう。

 下り方向で最大12Mbpsという通信速度について、スムーズな使用感を得られないのでは?と、少し不安に感じるかもしれません。しかし、ホームページを閲覧したり、メールをやり取りする程度であれば、十分な速度という見方もできます。また、ADSL接続サービスはもともと、NTTの設備ビルとの距離や周囲の環境から受けるノイズなどによって、通信速度が大きく違います。そのため、下り方向で最大約50MbpsのADSL接続サービスを契約していながら、リンクアップ速度(ADSLモデムと設備ビルとの接続速度)が10Mbpsにすら届かないケースも少なくありません。高速なADSL接続サービスは、高い通信速度を実現するため、よりノイズなどにシビアになっていますが、最大12Mbps程度のADSL接続サービスに切り替えてもリンクアップ速度が変わらなかったり、実質的な通信速度が同程度になることも十分にあり得ます。もし、高速なADSL接続サービスを契約しながら、リンクアップ速度が数Mbps程度にしかならないのであれば、思い切って、低価格のADSL接続サービスに切り替え、料金を節約する方法も考えられるでしょう。

 こうした低価格のADSL接続サービスは、大手プロバイダーの各社が提供しています。新生活を始める人だけでなく、すでにADSL接続サービスを利用している人も見直しを含め、各プロバイダーのホームページなどで、低価格のADSL接続サービスをチェックしてみてください。

プロフィール

法林岳之(ほうりん・たかゆき)
ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。

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