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ビジネスやAV用途で活用できるICレコーダー

2008年5月22日

  • 筆者:法林岳之

写真「リニアPCレコーダー PCM―D50」(ソニー)

写真「リニアPCMレコーダー LS―10」(オリンパス)

写真「WAVE/MP3レコーダー R―09」(ローランド)

写真「ICレコーダー ICR―PS390RM」(三洋電機)

 テレビで記者に囲まれた会見などを見ていると、テレビなどのリポーターが差し出すマイクのほかに、小型の機器でコメントを録音しようとする人を見かけます。今回はビジネスにも趣味にも役立つICレコーダーについて、紹介しましょう。

 私たちは普段、音楽などで頻繁に「音を聴く」ことがありますが、「音をとる」ということについては、それほど多くの機会がありません。ただ、世代によっては、その昔、カセットテープレコーダーを持ち、自然音や汽車の音などを録音したという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 録音をするための道具と言えば、カセットテープレコーダーやMDレコーダーがすぐに思い浮かびますが、現在、広く利用されているのは、やはり、「ICレコーダー」でしょう。ICレコーダーはカセットテープやMDなどの代わりに、内蔵のフラッシュメモリー(半導体メモリー)を記録媒体として利用し、マイクから入力された音を録音することができます。カセットテープレコーダーやMDレコーダーと違い、モーターなどの可動メカニズムがないため、電力消費が少なく、長時間利用できるという特徴を持っています。同時に、本体の構造も比較的、シンプルになるため、ボディーをコンパクトにできます。

 ICレコーダーで録音されたデータは内蔵フラッシュメモリーやメモリーカードスロットに装着したメモリーカードに、デジタルデータとして記録されます。録音した音はICレコーダー本体で再生できますが、ICレコーダー本体のメモリー容量が限られているため、パソコンに取り込んで、利用するのが一般的です。そこで、ICレコーダーでは録音するデータ形式として、パソコンの音楽データ形式として広く使われている「MP3形式」に対応する製品が多くなっています。録音可能な時間は機種や設定によって違いますが、たとえば、1GBのフラッシュメモリーを搭載したICレコーダーでは、ステレオ標準音質で約70時間もの録音が可能です。録音する用途に応じて、音質の設定も細かく変更して、さらに長時間の録音をすることもできます。ちなみに、ICレコーダーに内蔵されているフラッシュメモリーの容量は、1〜2GBのモデルが中心ですが、最近では4GBや8GBという大容量のフラッシュメモリーを搭載する製品も登場しています。

 パソコンとの接続についてはUSBポートに接続する製品が多く、直接、パソコンのUSBポートに挿すことができたり、USBポートから内蔵電池の充電ができる機種も販売されています。構造的にデジタル音楽プレーヤーと似ていることもあり、音楽再生機能やラジオ機能を搭載する製品もラインアップされています。逆に、iPodなどのデジタル音楽プレーヤーに接続し、ICレコーダーに変身させてしまう周辺機器も販売されています。

 こうしたICレコーダーは、新聞記者や筆者のようなライターが取材道具として、よく利用していますが、一般的な用途でも会議やセミナーの録音など、ビジネスシーンでよく使われています。ビジネスシーン以外では、英会話などの習い事、資格取得のための講座などに通う人が講義を録音し、あとで復習するといった使い方をしています。携帯電話にもICレコーダー機能を搭載する機種がありますが、ICレコーダーは指向性マイクを採用していたり、マイクの感度を調節できたりするなど、機能的にも一段と優れています。

 また、ICレコーダーの多くは主に音声の録音を目的としていますが、最近では生演奏など、生音の録音にも適したPCM録音対応ICレコーダーが注目を集めています。通常、多くのICレコーダーは前述のように、MP3形式などの圧縮されたデータ形式で録音をします。これに対し、PCM録音対応のICレコーダーは、圧縮せずに録音する圧縮しない「リニアPCM形式」を採用しているため、本来の生音に近い高音質での録音が可能になります。つまり、ビジネスユースだけでなく、AV向けのニーズにも応えられるICレコーダーというわけです。ギターやピアノなどの楽器の演奏を楽しんでいる人は、一度、PCM録音対応のICレコーダーで録音してみてはどうでしょうか。

プロフィール

法林岳之(ほうりん・たかゆき)

ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。

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