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ネットをバックアップに使う

2008年6月2日

図   ※クリックすると拡大します

 先週の本欄では、大切なデータをバックアップするメディアの選び方を解説しましたが、信頼できるメディアを見つけるのはなかなか大変。そんな中、注目されるバックアップ手法があります。それは「ネットの向こうに保存する」こと。インターネット経由でデータを送ると、保存してくれるサービスが増えています。ブロードバンド時代のバックアップ法といえるでしょう。(ライター 西田宗千佳)

■大容量サービスが普及

 バックアップの基本は、適切に管理された、信頼できるメディアに、複数のコピーをとっておくことです。

 言うのは簡単ですが、個人で徹底するのは大変。手間とコストがかかるため、いい加減になってしまいがちです。

 ところが、それがきちんと行われているところがあります。インターネットでサービスを提供するのに使われているサーバーです。多数が利用し、ビジネスの根幹を支えるものでもあるため、個人向けよりはるかに信頼性の高いシステムが採用されており、データが消えにくくなっているのが普通です。そうしたサーバーを使った一般向けのデータ保存サービスが増えてきました。

 「オンラインストレージ」とも呼ばれる、そうしたサービスを、自分のデータのバックアップに使う場合、問題は二つあります。一つ目はデータの転送に時間がかかること。やはりブロードバンドが前提で、できれば光ファイバーがお薦めです。

 次の問題はプライバシー。適切なサービスを利用しないと、ファイルを他人にのぞかれてしまいます。公開目的以外の大容量データの保管を禁止しているサービスもあるくらいです。

 ただし現在は、バックアップやデータ管理を目的としたサービスも登場しています。それらを使えば、他人に見られることなく、安全に大容量のデータをバックアップしておけます。

 最も簡単なのは、グーグルのGメールのように、容量が数ギガバイト(GB)あるメールサービスで、大切なファイルを添付したメールを自分あてに送ることです。メールサービスなら他人に中身を見られることはありません。特別なソフトは不要で手順も簡単、しかも無料です。

 とはいえ、いちいちメールを送るのは面倒で、手軽なバックアップには向きません。送信できるファイルのサイズにも制限があります。Gメールでは一度に20メガバイト(MB)以上のデータを送ることはできません。

■内容や設定をよく確認

 そこでお薦めなのが、専用ソフトウエアが使えるバックアップサービスです。特定のフォルダーの中身を監視して、変更があると自動的にバックアップしてくれるほか、ファイルをドラッグ&ドロップすることで、たくさんのファイルを簡単にバックアップできます。

 問題は、どのサービスを選ぶのかということです。価格が安く、容量が多いものが望ましいのですが、大切なデータを預けるため、信頼できることが重要です。サイト上の分かりやすい場所にプライバシー保護ポリシーが掲載されていること、その内容に納得できることが、使う上での基本です。

 写真保存サービスでは、「写真の共有」を本来の目的にしているところもあります。その場合、初期設定のままだと「アップロードした写真は原則公開」と扱われることがあります。このあたりも確認が必要です。

 条件を満たすサービスの中で、容量あたりの価格が安く、お薦めしやすいのが、リコーの運営する「quanp」です。このサービスは、月額980円で100ギガバイトもの容量が使える上に、アクセス専用ソフトが良くできていて、保存した文書や写真をスムーズに管理できます。むろん、前述の注意事項を基によく確認し、ご自分で納得してから利用してください。

 どのサービスでも、勤務先などで仕事に使うデータを保存する場合には注意が必要です。他人に見られないとはいえ、業務上の秘密情報を外部に漏らす形になり得るためです。オンラインバックアップは「個人の大切な情報を守る」サービスと割り切って使うのがいいでしょう。

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